2021年03月03日 2021年11月25日

クリエイティブ制作がうまく進まないとき

コミュニケーションの相性が悪いと、デザイン提出時に「なんとなくイメージと違うんだよねぇ」のような、フィードバックをいただくことがあります。

出来上がったクリエイティブが、イメージと違う? 合意をとったはずがイマイチ(言語化不能)で、3工程もどる〜のようなケースもあるあるです。

この項では、クリエイティブ制作に関わり出したけど、「上手くイメージのすり合わせができない」というお悩みを持つ方に向けで、認識合わせの方法についてまとめてみました。

この項でわかること

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イメージに齟齬(そご)が生まれる理由

トンマナとは、トーン&マナーの略。どんな雰囲気の成果物を作りたいか? にまつわる部分です。制作ディレクションでは、トンマナのすり合わせが一番骨が折れるところだと考えてます。

クリエイティブ制作が上手く進まないときは、たいていプロジェクトに関わるメンバー(クライアントサイドも含む)それぞれが思い描いたイメージがズレていることがほとんどです。

しっかりお伝えしたはずなのに、その場では合意形成できてたきがするのに、
「なんかイメージと違う……」
担当者レベルの感触は良かったけど、鶴の一声でひっくり返るなど、あるあるです。正直そういうものです笑。

例えば、

magron

かわいいデザインでお願いします!

と言うオーダーがあったとして、あなたはどんなイメージを思い浮かべるでしょう?

同じ「かわいい」というキーワードから、ある人は子ども向けのポップな可愛らしさを思い浮かべて、ある人は20代前半の女性向けプロダクトの可愛らしさを思い浮かべ、またある人はオーガニックでナチュラルなイメージを思い浮かべます。

なぜイメージにもズレが生じるかというと、その方の持つバックグラウンドや年齢によって、「かわいい」から連想するイメージがまちまちだから。

カルチャーの似ている人同士はすぐに理解し、離れたカルチャーに属している人は、まったく違うものを思い浮かべても、なんらおかしくないのです。(略語や用語でも同じ現象がおきがちですよね)

では、どのようにイメージを共有したらスムーズに進むのでしょうか。

1.共通認識(コンセンサス)をもつための時間を確保する【社内関係者】

まずは、目的、企画背景、ターゲットなど、制作時に必要な情報を共有し、社内メンバーの持つ情報量の差を埋めます。

その上で、クリエイティブ制作の方向性および進行方向をざっくり決めます。

  • クライアントのトンマナを踏襲して欲しい
    →ガイドラインの共有
  • ペルソナに刺さるかわいい雰囲気にしましょう
  • バリエーションを多めに出して、お客様にありなしを選んでいただく(カラバリ・レイアウト違い)
  • 初の取引先で温度感がわからないため、確認を多めに挟みたい

Point
クライアントサイドにブランドガイドラインがある場合は、どの程度遵守したらよいか? 温度感をお伺いするだけで解決することも多いです。

2.トンマナに関するキーワードを掘り下げる【担当者・チームレベル】

アートディレクター(または兼務しているデザイナーやディレクター)を中心に、トンマナを言語化・視覚化します。

具体的なフローは、キーワード精査→イメージサンプル収集→ムードボードや精度の低いたたき台を作り、goodポイント、badポイントを社内または担当者レベルで整理します。

その上で、クライアント様の反応を見ながら調整していきましょう。

ヒアリングで精査できれば最高ですが、難しい場合はクライアント様の発したキーワードを軸にし、既存の制作物、商材、担当者様の年代やファッション傾向、その方の読んでいそうな本や雑誌、Webメディアから方向性を推測することも、ひとつの手です。

キーワードの掘り下げ

クライアントへの初回ヒアリングで、制作物のイメージにあうキーワードを集め、ありなしを精査する工程を挟むと、さらに確度が増します。

クライアントサイドに確固たるイメージがない場合、コンペなどですり合わせすることができない場合、下請け・孫請けなどでクライアントと気軽にコミュニケーションが取れない場合は、社内で精査して提案に挑むことで、説得力のあるクリエイティブ制作が行えるでしょう。

キーワードの掘り下げは、主に以下のステップで行います。プロジェクトの規模にあわせて、複数人で行っても、自分一人で行っても大丈夫です。

  1. イメージにあうキーワードをピックアップする
  2. キーワードリストから、選ぶ
  3. ワークショップ形式で、キーワードを出し付箋を仕分けしていく。
ナシにしたものがわかる様に、存在自体は残しておきましょう。

3.たたき台を使い、温度感を測る【制作担当者→窓口担当→クライアント】

2.で導き出したキーワードを元に、トンマナを見える化します。

①ムードボードを作成する【初クライアントや新しいトンマナ場合】

世の中に存在する既存のクリエイティブから、イメージに近しいものをあつめ、一枚にまとめておくと、判断に迷った時立ち返ることができます。関係者各位で同時編集できる、GoogleスライドやOffice365のPowerPointなどを使うと捗ります。

最近ではPinterestなどで参考資料を集めるケースも多く見られますが、手軽さをお求めならPinterest! ムードボードのいいところはコメントを書き込んでいけるところだと思います(あと社外秘のクリエイティブも貼れますね笑)。

②集めたイメージのgoodポイント、badポイントをまとめる

「イメージ」の認識を合わせは、微調整になれぱなるほど難易度が上がりがちです。ムードボード用に集めたイメージを使い、goodポイント、badポイントをまとめることで、どのように表現したいかが見えてきます。

③考えられる方向性のデザイン案を複数作成する

スケジュールや予算感によっては、ムードボード作成工程を挟むことができないことも多いです。
そのような時は、「たたき台」と呼ばれる、デザインのラフを使ってgoodポイント、badポイントのすり合わせを行います。キーワードやムードボードから考えられるクリエイティブを複数案作成し、論外なものを省いていきましょう。

デザイン提出時には、コンセプトや、「なぜこの表現を選んだのか」についての説明を添えることで、判断しやすくなると思います。

▼アイデアは既存アイデアの掛け合わせ
電車の中吊り、広告物、パッケージ、フライヤーなどなど、世の中にはクリエイティブが溢れています。色々な表現を見て、自分の中にストックしておくと、パターン出しが早くなるはず。

▼ボリュームのある制作物の場合
WebサイトやLPのように、ボリュームのある制作物の場合は、ファーストビューのみ複数作成し、ご確認いただくと負荷が少ないです。

スムーズな進行は付加価値(バリュー)になる

クリエイティブ制作で共通認識をもつポイントは、関係者各位との、言葉&視覚を駆使したマメなコミュニケーション。

予算やキャパによっては、複数案の作成や、ムードボードの作成まで手が回らないことも多いと思います。しかし、思うような成果物が出てこないと、クライアント様は不安を感じることでしょう。何度もリテイクを食らうと社内メンバーの士気にも影響がでます。

あまりにもスムーズに進まないケースが多いのであれば、ぜひ取り入れてみてくださいね。

スムーズに進行するための3つのポイント

1.認識合わせの時間をしっかりとる
2.キーワードを掘り下げる
3.たたき台をつかい、温度感を推し量る

クリエイティブ制作・デザイン制作は、ビジュアルを使ったコミュニケーション手段です。言葉の認識合わせですら手間取るのですから、今そこにカタチのないクリエイティブ制作をスムーズに進行するためには、相当なコミュ力が必要になるのでは……。と思う今日この頃です。

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